志和八幡宮の五元日祭 源義家が前九年合戦の戦勝を祝したとする故事にちなんだ五元日の祭典は、正月5日の未明に社前に大篝火(かがりび)を焚き上げ、地域の伝統行事として現代に継承されている。300年以上の歴史があるとするこの祭典では、一年の無病息災を祈願して裸参りが奉納される。かつて南部杜氏の醸造祈願であった裸参りは中断していたが、昭和50年に志和八幡宮氏子青年会によって復活された。五元日祭や裸参りは、旧志和村の伝統文化や南部杜氏発祥の地である酒造文化を後世に伝える貴重な祭事である。神社の現代的な活用 志和八幡宮の鳥居は、主柱を4本の稚児柱で支える両部鳥居が特徴である。境内にはユニークな狛犬が待ち構えている。まるでサングラスをつけたような狛犬である。志和八幡宮の境内では年に2回、「蚤(のみ)の市」が開催されている。寺社は古くから文化サロンとして、地域コミュニティの核として機能していた。寺社には信仰の場所であるという本来の意義を損なうことなく、地域活性の核として現代的な役割が期待される。「蚤の市」は、地域の核としての寺社が地域住民と寺社を結びつける取組として高く評価される。